社長からのメッセージ(株主通信2017年6月より)

株主の皆様、いつもご期待とご支援ありがとうございます。
半年に1度のお手紙となります。
ソケッツのこれからの将来についてよりご理解を頂くために、いくつかの視点で当社の課題と可能性について株主の皆様と共有できればと思っております。

まず、主にビジネスモデルを中心とした事業面について、となります。
この半年、まだ課題はあるものの、従来目指していたビジネスモデルにより一段と近づきました。
当社事業は、データベースを利活用した技術・サービスを開発し、それらを様々な企業とそれらの企業の最終顧客に対し提供する形となります。データベースとその関連サービスというものは、まずはより良いモノづくりから、というのは間違いありませんが、一方で「使われてなんぼ」の世界だとかねがね私は思っております。しかしながら、従来のビジネスモデルでは、データベースやその関連サービスを利活用した事業を提供することにおいて、初期開発で決まった額、月々で決まった額、というつまり固定額での取引が多く、データベース関連サービスからのライセンス収入よりも、開発費やシステム運用費の方が多いという課題がありました。なぜそれが課題かというと、ビジネスモデルとして、一時的な開発売上の割合が高い場合は、その開発事業の有無により業績が左右されることになり、売上の成長のためには継続的に都度売り切り型モデルともいえる開発事業の規模と数を伸ばしていくことが必要になります。一方で、データベース利活用の売上により月々固定で決まった運用売上を上げる場合は、そのデータベース関連サービスがどれだけ使われようと、固定の売上であり、当社の売上が増えることはありません。
したがいまして、当社は「使われてなんぼ」であり、かつ継続的にストック型で積み上げるライセンス収入の売上を増やすことが、中期的な成長には欠かせないと考えて取り組んできました。この半年でもLINE MUSIC、Huluなどへのライセンス提供が始まり、従来のKDDI、dヒッツ/レコチョク、CCC、楽天などとの取り組みと合わせ、全社売上におけるライセンス収入が占める割合が2年前の15%程度から直近では40%程度まで増えてきております。それらに伴い売上総利益率も9%から32%まで向上し御陰様で4年ぶりの黒字、ということとなりました。開発事業も必要に応じしっかり行いますが、このライセンス収入中心の流れを今期以降より加速し、2020年には売上の75%以上をライセンス収入が占める、という目標を掲げております。
一方、収益構造がライセンス収入中心に変化してきていることはポジティブなことですが、まだまだ全社売上自体はさほど増えていません。これは、開発事業は1件あたりの金額が比較的大きいことが多く、開発売上と同じ金額をストック型ビジネスモデルのライセンス収入で上げるには、少し時間がかかります。
ただし一度に売上を上げると、開発売上と異なりライセンス収入は継続的な取引になり、数が増える毎に積み上げられ、かつ利益率も開発売上よりも高いので、このライセンス収入の割合が段階的に増えることで、全社の売上、利益率はさらに向上していくこととなります。
したがいまして、シンプルにいえば新規ライセンス先を増やすこと、また既存ライセンス・サービスの質的改善の中で、月々のライセンス収入を増やすことが現在のビジネスモデルという視点における事業面での取り組みとなります。
そのために必要なことは、より良いデータベース・サービスの開発と事業開発力となります。
最近、日々感じることがあります。いろんな企業を廻り、当社の感性データベースやその関連技術・サービスのご紹介をさせて頂くなかで、これからAI時代だからこそ人間の感性が大事で、その感性を広げ繋ぐためのデータベースや新たな技術への取り組みが必要である、ということに共感して頂ける方々がとても増えてきていると感じています。従来私共の可能性を信じてきて頂いている既存顧客の方々、そしてあらたに感性データベース利活用に関心をもつ方々と共に、何としてもより良い技術・サービスを開発し提供していきたいと考えております。
一方で利益率が継続的に向上してきている中で、利益額はあまり増えていない、という状況もあります。こちらは、独自データベース開発、自然言語処理、機械学習、感情分析など当社感性データを最大限活かす関連技術への集中投資によるものとなります。現在、当社では年間営業利益の7倍から8倍の金額にてデータ関連含む開発投資を実行しており、それらをほぼ原価と販売管理費にて計上していることもあり、利益率の増加の割に利益額自体がどんどん増えていく、という状況にはなっておりません。そのため株主の皆様にはご心配おかけすることもあると思いますが、現在の事業環境は、感性対話、感性AI、予測サービス、クリエイティブ支援、IoTなど当社にとって強いチャンスの風が吹いており、出来る限りの投資を行うことをどうか理解して頂ければ心強く思います。今は種まきの時期にあります。そして、いずれ花を必ず咲かせます。

次に財務面についてです。
こちらは、4年ぶりの黒字化という損益面のみならず、しんどかった3年程前に銀行からお借りした5億円の借入もこの秋には全額返済することとなり、実質的に無借金の状況に戻ることになります。自己資本比率も70%程度まで向上してきておりますので、この何年間か株主の皆様にもご心配をおかけしたと思いますが、その間のご理解とご支援にあらためて感謝いたします。
御陰様でより筋肉質な財務体質になりました。

そして、人材面、組織面についてです。
1年前のこの株主通信で、どん底であった状況をお伝えし、半年前の株主通信でどん底からは抜け出したことをお伝えさせて頂きました。
また、私が持っている実現イメージと自分達で創るプロダクトやサービスがようやく繋がってきたこともお伝えさせて頂きました。
これらのポジティブな流れは御陰様でより強くなってきております。とはいえ日々現場で格闘し、苦しんだり、悩んだりしている社員もいるかと思います。そうした社員に、会社として社長として十分なフォローや軌道修正が出来ていないこともまだあるかと思います。一方で、会社として大切にしたい文化や戦略というものが、徐々に、確実に繋がり、広がってきていることも強く感じています。どん底といえる状況を共に乗り越えてきた想い、またその状況を見ながらも入社してきた想い、それらの想いが、いまこの会社の大きな財産として形になりつつあることを実感しております。
ひとりひとりの成長へのより具体的な実現シナリオや想いのさらなる共有など人材面、組織面においてまだ課題はあると思いますが、ソケッツとして大切な会社としての文化や戦略の軸というものが、よりはっきりと強く濃くなっていくことが、人と会社のさらなる成長の起点となると考えています。
そのために、今までと同様に、そして今まで以上に社内外で起きるすべての事実に正面から向き合っていくこと、これをあらためて社員のみならず株主の皆様にも約束したいと思います。起きた過去、過ち、良かったこと、悪かったこと、すべてを糧にします。
その機会に感謝したいと思っています。

当社の使命は、人間の想像力を繋ぐこと、にあります。それを音楽、映画、書籍のみならず、日々のくらしからお出かけまで、ライフスタイル提案という形で様々なサービスやプラットフォームや機器と連携しながら実現していきます。それらライフスタイル提案によって起きることは、自分自身や人や社会に対する気づき、その気づきから生まれるひとりひとりのより良い時間であると思います。
そのために日々感性データベースを開発し、その感性データが最大限活きる技術・サービスを開発しています。それらサービスにおいて当社独自の感性対話、感情分析、感性AIなどは、次代のエンターテインメント関連事業から未来の広告サービスになりえるマーケティング関連事業までにおいて、重要な役割を果たします。
その結果、大げさにいえば世界の平和ですが、より良い社会の実現に少しでも力になりたいと考えています。人それぞれの感性の翼が最大限に広がることに役に立ちたいと思います。そのために10年以上にわたり感性データベースとその関連技術を開発し続けています。感性データを日々運用し、磨いております。AIやIoTというのは、目標に向けたプロセスにあるきっかけのいくつかでしかありません。しかしその貴重なきっかけは必ず最大限活かします。

株主の皆様、皆様の期待と支援は、当社のみんな、そして私にとって本当に心強い存在です。成果をもって共に喜んで頂けるようにします。
まだまだ道なき道は続きます。ご心配をおかけすることもあるかも知れませんが、共に新たな道を切り開いていければ嬉しく思います。ここまで、どんな時も、ありがとうございます。
引き続き、どうぞ、よろしくお願いいたします。

代表取締役社長 浦部浩司

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