社長からのメッセージ(株主通信2016年12月より)

株主のみなさま、いつもご期待をくださり、ありがとうございます。
半年ぶりの手紙となります。

前回のこの株主通信の中で、過去の2、3年をどん底といい、そして、何とかどん底から抜け出しつつあることをお伝えしました。
そこから半年が経ちました。御蔭様でどん底からは抜け出した、といっていいと思います。
株価は少し上がりつつあるとはいえ、株価自体はまだどん底みたいなものなので、株主のみなさまには、依然ご心配かけていると認識していますが、事実としては、ソケッツはもうどん底ではありません。なぜそういえるのか、まず少しお伝えできればと思います。
私は社内の会議で、開発プロジェクトの進捗について話し合う機会が少なからずあります。
そのような会議の場でこの半年ほどの間、「長年のイメージがようやく少し形になり始めたな」「思ったより全然おもしろいものが出来ているな、みんなスゴイな」「その本質的だけど見えづらい課題、言おうと思っていたら担当の人達が先にいってくれた!」などと感じる時がとても増えました。つまり実感として自分たちの技術的な成長やチームとしての成長を感じる機会がとても増えました。そして、結果的にも4月から9月の上半期において3年ぶりの黒字となりました。イメージと結果がようやく繋がり出しました。
もちろん、まだまだです。というよりは、あらためてスタートラインに立ったようなものです。過去数十億円かけてデータベースを開発してきました。もっと良い開発の仕方はあったと思います。
データベースの活かし方もまだこんなものではありません。
大きな赤字を出しながらも開発を続けてきたデータベース、多くの失敗から学んだこともたくさんあります。なので、あらためてのスタートラインといいながらも同じ場所からのスタートでは決してありません。こうして思えば思うほど、直接間接問わず、今までの関係者すべての方々にまず深く感謝いたします。

ソケッツという会社は、人間の想像力に役立つために存在しています。「元気があれば何でもできる」という名言がありますが、人にとって元気の次に大事なものは想像力ではないかと思っています。想像力があれば、見えないけれど本当に大切なものが見えたり、当たり前と思っているものに当たり前でない価値を感じたり、会えない人へも力になれたり、こうして人の力になったり、社会の可能性を広げるきっかけになりえます。日々の慌ただしい暮らしの中で、そうした想像力を広げるために何ができるか、ソケッツはそのことをずっと考えている会社です。

わたしたちのデータベースのはじまりは、音楽でした。そして映画や書籍などに広げてきました。日本そして世界中で何十年に渡って作られてきている音楽・映画・小説・コミックなどのデータベース化を10年近くずっとしてきて、最近あらためて強く感じることがあります。

それは、人間の感情や生き方や関係性は、その多くがこれまで世界中で作られた歌詞やセリフや脚本や小説の中のどこかしらに込められているのではないか、という感覚です。
世界中のたくさんの先人、偉人、賢人、変人が、これまで想いや意志をもって作ってきた歌詞やセリフ、脚本、小説、これらをデータベース化することを創業以来やり続けてきている結果、「人間が持つ感情は、世界中の作品の中のどこかにある」と感じています。
誤解を恐れずにいえば、すべての感情はエンターテイメントの中にある、ともいえると思います。
スティーブ・ジョブスがスピーチ前によくボブ・ディランの歌詞を読み、そこからインスパイアされていたという話は有名ですが、つまり、ソケッツの国内最大級の音楽・映像・書籍などのメディアデータベースは、先人の作品群から人間の感情や感性を学ぶ最高の教材になりえる、という可能性をあらためて深く感じています。

あらためて宣言をしたいと思います。

まず日本の音楽・映画のレコメンド(作品おすすめ)サービス、そしてそのパーソナライズ(個人の好みに応じておすすめする)サービスで、圧倒的な質と結果、つまり、いちばん使ってもらう(=いちばん、トップシェア)ようにいたします。

そのためのデータ開発、技術開発をより磨き、日本中で音楽・映画・本と人がもっと繋がるようにサービス事業者の方々と共に更に挑戦していきます。

そして、そのうえで、ソケッツにしかできない、感情を科学するデータベース・マーケティングを実現させます。そのために、データベースの開発範囲を音楽・映像・書籍だけでなく、飲料、食品、衣料、消費財、施設、サービスなど一般商材にも広げています。わたしたちの強みは、感情、感性、感覚など、言葉で表現しづらい特徴をデータベース化することです。その力は、長年音楽・映像・書籍のデータベース化をすることにより、磨かれてきています。世界無比の「感性データベース」を開発してきています。
そのオリジナル・データベースに、機械学習、深層学習、自然言語解析、大規模リアルタイムデータ解析などの分析技術を組み合わせていきます。
そこでできることは、「なぜ売れたか」「どのようにすれば売れるか」「どれくらい売れるか」という基本的なマーケティング要素をソケッツならではの「人が持つ感情」をキーに行い、さらに未来予測、開発支援、制作支援、クリエイティブ支援、メディアプランニング、効果測定などを行います。
この「あいまいな情報を学習し未来を予測する」すなわち昨今よくいわれている人工知能(AI)を活用した新しいマーケティングサービスを実現します。ソケッツがやるからには、ただのAIではありません、「人間の感情に寄り添うAI」です。

このような話を色んな業界の先人の方々としていると、たまに疑問を投げかけられたり、時として怒られたりします。「そんなこと(データベースやAIを活用したマーケティングや制作支援)をやっていると、人間が馬鹿になる。エンターテイメントもそうだしマーケティングも最後は経験や勘が大事だろう」。
おっしゃる通り、そうかも知れません。自問自答する時はあります。
「これは人間の想像力を広げることに役に立っているのだろうか。それともスポイルしているのだろうか」
人間が、想像したり、クリエイティブなことをしたりすることを怠れば、それこそ人がAIやロボットに取って替わられるのかもしれません。わたしたちはAIを開発しています。ということは「人の想像力を広げる」という会社の使命に反するのだろうか?
その答えは、まだ風の向こう、つまり良く分かりません。
ただひとつ約束できることがあります。わたしたちが開発するAIは、人が想像するきっかけを創る、つまり人間の未来への想像の翼を広げるために役に立つ、こと「だけ」を目指す、ということです。
わたしたちのデータベースの根源は、世界中の多くのソングライター、脚本家、小説家などの方々やそれを分析し続けたわれわれ、それぞれの「意志」「想い」「情熱」などで出来ています。それをより良い未来に向けてより良い形で繋げていく(ソケットしていく)、それがソケッツのやることです。
人の想像力と音楽、映画、書籍を繋ぎ、そしてさらにひとりひとりの感性とたくさんの商品や体験や時間を繋ぎます。
人の想像力を繋ぎ、ひとりひとりにとってそれぞれの価値ある時間を生むきっかけを創りたいと思います。そんな技術とサービスを開発していきます。
ある人がいっていました。「ベンチャーやるからには5億円や10億円の利益でいいという訳でなく、利益100億円は目指さないと」と。たしかに。
過去の最高利益が6億円でかつ3年ぶりに上期黒字という会社の社長が偉そうなことは全くいえませんが、わたしは、売上は世の中で使われた指標、利益はその価値の指標、と思っています。その意味では、ソケッツが行う、人の想像力の翼を広げる仕事の価値でとことん勝負したい、そして結果はついてくる、と思っています。なぜなら人間にとって想像力はかけがえのない大切なものですが、今の時代、まだ自らも含めそれが足りないからです。株主の皆様、ぜひわれわれのチャレンジに力を貸してください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

代表取締役社長 浦部浩司

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