社長からのメッセージ(株主通信2018年6月より)

株主の皆様、いつもご期待を頂きまして、ありがとうございます。
半年に1度の私からのお手紙となります。

まずは現在の当社の状況についてお伝えできればと思います。
私たちは、データベース・サービスの開発を行っている会社ですが、ここ数年にかけてビジネスモデルの転換に取り組んでいます。
具体的には従来の開発収入が多くを占めるビジネスモデルから、自社の資産(プロパティ)であるデータベースやデータ関連技術サービスを使ってもらい発生するライセンス収入を中心とするビジネスモデルへの転換を進めております。
お陰さまでこの取り組みは現在のところ着実に進捗しておりまして、全社の売上の40%超をライセンス収入が占めるところまできました。
それに伴い全社の粗利益率も38%を超え、前々年度の24%、前年度32%から伸長し短期的な目標である40%をもう少し、というところまで来ております。
また粗利益額の絶対額としても3年連続で増収となっております。
これらは、ここ5年、業績が厳しい時期においても、データベースならびに人工知能関連を中心としたデータ関連技術の研究開発を続けてきてこれたからだと思います。
これは、当社の取引先の皆様、金融機関の皆様、そして株主の皆様のご理解やご期待があったからこそだと心から思っております。真に感謝しております。
またどのような状況でも様々な難しい場面も乗り越え、日々開発をしてきた当社の開発者みんなの取り組みが少しづつ結果に出てきていることは、大変喜ばしいことと思っております。

次に私が感じていることを率直にお伝えできればと思います。
私は、いま、自分自身に対してとても腹が立っています。
確かに当社の特徴である感性データベース開発は進捗し、そしてそれらを活かした人工知能関連、つまり当社独自の感性AIの開発は、ここ1年でも大きく進化しております。そしてビジネスモデルの転換も進み収益体質も良くなってきています。ただ本当にふがいない自分に対して苛つき、腹を立てています。以前、葛藤がある、とお手紙でもお伝えしましたが、もはやそんな感覚でもありません。
開発しているデータベースやデータ関連技術が、広まりつつあるもののまだまだ社会に使われていません、つまりまだまだ役に立っていません。
そしてライセンス収入は毎年伸びてきているものの、とはいえ全社の売上は、開発収入が減ってきていることもあり、前年を下回る、または前年並み、という状況です。これは、まぎれもない事実です。
「おい、いつまでも何やってんだ」そんな自らの声を日々聞いております。
会社の中身、開発内容、収益モデル、企業文化などは、紆余曲折はありながらも、良い方向にいっていることには確かな実感があります。
会社が目指している方向性には自信を持っています。必ず実現させます。
ただ方向性は正しくとも、その実現スピードやプロセスが、なっていません。
その責任は、経営者、つまり私にあります。
この大きなギャップを生んでいる自分自身に対し非常に腹が立っています。
私は、当社は来期に必ず大きな成長をする、しなければならない、と考えています。それを実現させるために、今期のあらゆる準備や向き合いがあると思いますが、別の見方をすれば、今期は大きな成長に向けた準備が出来るラストイヤーです。ラストイヤーの覚悟で自分自身に向き合っています。
ビジネスモデルが変わろうと何だろうと、いつまでも、現在の業績水準でウロウロしている訳にはいきません。
私たちが目指す世界を実現するため、そのために、より良い開発を行い規模も広げスピードを上げ続けるために、そのチャレンジを加速させるためにも、目覚ましい結果は絶対に必要です。そのうえでさらに大きなチャレンジへ進みたいと思います。そのためにもこのままではダメです。
自分自身の考えを変えないと、今の状況は変わらないと思っています。
当社は、今まで独自開発してきたデータベースならびにデータ関連技術サービスの提供に対し、ある意味、クローズドな提供方法を採ってきました。言い換えれば、専門的かつ比較的大きな会社の方々と、オーダーメイド、カスタムメイドで、提供をしてきました。手間をかけ作り、育ててきたデータベースならびにデータ関連技術を大事に、慎重に社会に対し提供してきました。そこには、技術やデータベースが流出する恐れのようなものもどこかにあったかと思います。それらの考え方を改めます。自分たちで作ってきたものを大事にしない、という意味ではありませんが、とにかくより多くの方々に使ってもらうためにも、当社は、データベースならびにデータ関連技術サービスの「オープン化」に取り組みます。一部の当社データベースならびにデータ関連技術サービスを無料で使えるフリーAPI、非常に安価で使えるライトAPIなどを用意し、現在のフルスペックAPIと事業機会の間口を一気に広げていきます。
ビジネスモデルとしては、フリーAPIで潜在市場を開拓し、たとえば月10万円、月50万円などのライトAPI、そして月100万円、月300万円以上などのフルスペックAPIなどを組み合わせていくことを計画しております。
それらのライセンスモデルを数多く積み上げ、掛け合わせていくことをベースとしたいと考えております。
そもそものところでは、どのようなビジネスモデルであろうと、当社が開発、提供するデータベースならびにデータ関連技術サービスのクオリティが大切です。
質にこだわり現在の取引先の方々との絆をより深くしつつ、オープン化によりさらに多くの開発者、個人、ベンチャー企業含めた社会、企業との連携を進めます。
またオープン化を行うAPIやWEBやツールなどにおける付加価値を高めていきます。当社の特徴である感性メタデータ(特徴情報)の利活用技術をより多くの方々がまずはライトに試しに使い、社会で使えるようにいたします。
当社がオープン化を進める前提でプロダクト化(製品・提供サービス化)を進めております。たとえば商品や顧客に対する感性メタデータ付与、感性・感情分析による効果測定などの「感性マーケティング」のプロダクト化を進めてまいります。
また開発を続けてきている目的特化型AIを必ず広く社会に連携できるようにいたします。この目的特化型の専門AIは、現在世の中にある、そして今後も増えていくであろう汎用的なAIと連携し、「人の感情や感性を理解するAI」として社会で役に立ちます。
日本はアトムやドラえもんを生んだ国です。ロボットは単に命令されたことを実現する機械ではなく、顔色や場の空気を読んだり、ある時は励ましたり、ただそっと寄り添ったり、まるで、“ともだち”のような存在であることが日本ならではの技術だと思います。その実現のためにも、私たちが10年以上開発してきている感性メタデータやそれを活かした感性AIや感情分析など含めたデータ関連技術を最大限社会に広め役に立ちます。
人間の感情や感性を理解する技術を磨き、“未来のともだち”になれる存在をソケッツは創り出します。もちろん、“ともだち”は、生身の人間が良いに違い有りません。でも、“ともだち”が少ない人もいますし、いつも“ともだち”がそばにいてくれるとも限りません。私は、かねがねテレビの凄さは、エンターテイメントとしての価値、あるいは、知らないことを知るきっかけになりえる、つまり気づきの価値、というところにあると思っていますが、テレビのもうひとつの価値は、「人の孤独を癒す」ところにあるのではないかと思っています。
世代によっては、それがテレビだけでなく、ソーシャルメディアであったりソーシャルゲームであったりするのかと思いますが、いずれにしても、人の孤独を癒すことや知らないことを知れる、気づく、ということは人間にとってとてもとても価値があることだと思います。ソケッツがつくるAIエージェントは、人想いの専門知識あふれる“未来のともだち”を目指しています。人は誰にでも孤独な時があると思います。
そんな時に役に立つことができるAIエージェントをソケッツは必ず創り社会の役に立ちます。そのために感性データベースとそれを利活用する技術を磨き続けます。それが私たちが開発する専門AIであります。その専門AIエージェントをAPI連携もしくはSDK(デバイスへの実装)などで社会のあらゆるAIと連携させていきます。
5月の決算発表時にはじめてお伝えしましたが、来年度に大きな成長を行い、会社として5年後には売上100億円、利益で2~30億円くらいにはする、と考えています。これには様々な意見があるかと思います。簡単な道のりでは無いかと思います。売上は単なる数字ではなく、社会の役に立った指標でもあると考えています。その観点におきまして必ずそのくらいにはなっていないとなりません。
エンターテイメント×テクノロジー、エンターテイメントには人の感情や感性が凝縮されています。私たちは、そのエンターテイメントに関するありとあらゆる感情や感性をメタデータとして、創業以来10年以上に渡り、分類、整理、体系化してきました。そんな私たちにしか創れないAIがあります。
ソケッツが創る“未来のともだち”は、専門的なAIエージェントとして世の中のあらゆるAIやデバイスと連携していきます。
そこでは、日々の暮らしで人に寄り添い役に立ちます。
ある時は、知らない世界に気づくきっかけを作り、時には人の孤独も癒したり、またある時は、誰かを励ますことなどできれば嬉しいです。
“未来のともだち”は、感性マーケティングも実現させます。
そのためにも、ビジネスモデルの転換、オープン化、プロダクト化、売上の2~30%のデータ開発、研究開発の投資が必要です。
今期もまだまだタフでタイトな時や状況もあるかと思います。
どんな困難がこようとも、その状況に真っすぐに向き合い、必ず乗り越えていきます。

皆様の期待は、私たちのエネルギーです。
頂いた期待には目に見える結果で応えるしかないと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

代表取締役社長 浦部浩司

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