社長からのメッセージ(株主通信2025年12月より)
株主の皆様、いつもご期待をくださりありがとうございます。
半年に一度のお手紙となりますが、どうぞお読み頂ければ幸いです。
先日の決算発表をご覧いただいた方もいらっしゃると思いますが、業績はおかげさまで再び成長軌道にあります。
売上は、前年比で5〜10%成長とまだ十分なペースではないですが、主力のエンターテイメント分野に特化したデータサービスは、コンテンツ市場におけるニーズの深掘りや新しい用途の開拓を進めています。またここ4年ほど感性ターゲティング広告分野の開発と市場開拓において年間1億円以上の事業赤字の計上が大きく影響し全体の営業赤字が続いていましたが、この感性ターゲティング広告分野の収支が改善されていく状況に加え、全社的な抜本的な開発、運用、研究開発費以外のコストの効率化を進め、収益体質の抜本的な改善を行いました。その結果、積極的な先行投資を継続する中でも黒字を出せる収益基盤ができてまいりました。
黒字体質へと改善した新たな収益基盤のもと、今後利益を積み増してまいります。当社ビジネスの構造として、自社開発のデータベースを顧客の方にご活用いただくというのが基本の形なので、新たな売上がそのまま新たな製造原価の増加につながる構造ではないため、今後は売上拡大に伴い利益率が向上していく見込みです。
時間はかかりましたが、ようやく次の成長に向けた基盤が出来た、という状況であります。
決算発表で「5年後に営業利益10億円を目指す」とお示ししましたが、大きな目標だと受け止められた方もいらっしゃるかと思います。たしかに簡単なことではないことですが、現在の事業の年平均成長率を15%(本上期で対前年約10%、通期予想で約6%)とすると、先の当社のビジネスの構造からすると営業利益6−7億円という幅がターゲットとなります。加えて、今後立ち上げるIPデータテック・サービスの収益を取り込み、5年後の目標達成を見据えております。
ここでのご疑問は、既存事業はどのようにして15%成長するのか、IPデータテック・サービスは5年後どの程度収益を生んでいるのか、ということだと思います。ここに関しては、大きくいえば、まずエンターテイメント分野のデータサービスにおいては、現在の顧客、音楽・映像配信会社様に限らず、今後、配給会社様、出版社様、流通・小売会社様、玩具会社様、イベント会社様、興行会社様など、データの利用範囲、提供先を大きく広げていく中で、成長を目指してまいります。エンターテイメントは時代を映す鏡と言われますが、当社は音楽や映像配信に限らずデータマネジメント領域を広げています。エンターテイメント関連データの特性を活かし、他社データとの連携を進めることで実現を目指します。
次に感性ターゲティング広告サービス(Trig’s)ですが、Trig’sの特徴である当社独自の感性AIを活用した企業の商品、サービス、ブランドの物語を伝えるストーリーマーケティングへの有用性を磨きこむことで差別化を進め、事業規模がまだ小さいこともあり、年平均15%以上の成長ペースで伸びることは十分可能です。
ここまでが既存事業についての内容です。そこに加えたIPデータテック事業の将来の収益については、率直に言ってまだ明確な数字は出ていませんが、事業機会としては以下のようなことが挙げられます。
・IPコンテンツを新たに制作する機会
・IPコンテンツ会社が保有するIPを広める機会
・企業や自治体などがIPコンテンツを利用する機会
これらの機会において、当社独自のエンターテイメントDMPを活用する中で、月額定額制、従量制、都度発生型、成功報酬型など、従来の事業モデル以上に柔軟で幅広い収益モデルを組み立てることが出来ると考えています。この分野に関しましては、まず今期から来期にかけて様々な取り組みの事例を皆様にお伝え出来ればと考えており、その中でご理解を少しでも深めて頂けるよう努めてまいります。
日本にとってIPコンテンツはアラブの石油のような存在であり、それを生み出すクリエイターは、日本の宝でもあります。
ここでいうクリエイターとは、アーティスト、小説家、漫画家、イラストレータ、画家、アニメーター、作詞家、作曲家、映像作家、カメラマン、脚本家、声優、俳優、舞踊家、コレオグラファー、ダンサー、芸人まで多岐に渡りますし、その方々が日々創り出している表現やコンテンツも極めて多様で包摂的なことは私が語るまでもないことと思います。
当社のIPデータテックは、次世代のクリエイターに役に立ち、コンテンツ産業の大きな発展に貢献するため、独自のコンテンツ関連データサービスの確立と拡大に25年にわたり積み重ねてきたエンターテイメントデータサービス専業会社としてのこだわりと魂を込めて挑んでまいります。
その事業活動の結果、既存事業の着実な成長とIPデータテック・サービスにより先述の営業利益10億円以上を目指す、という中でその成果を皆様にもお返しできればと思っております。
当社を取り巻く課題として、流通時価総額10億円という上場維持基準の達成があります。この達成には、株価の向上、流通株数の増加、両面からのアプローチが必要です。株価に関しては、私どもがコントロールできるものではありませんが、今期に入りより明確になっている事業成長や来期以降も含めた収益の向上や企業アライアンス、さらに将来のIPデータテック・サービスに向けて現在進行形で進めているいくつかのプロジェクトなどを、丁寧により積極的にお伝えしていくことで株価向上に努めてまいります。流通株式数の増加に関しましては、大株主様との協議をよりスピードを上げて具体的に進めてまいます。このお手紙を書いている11月末現在まだ達成していない状況にあり、ご心配されている方も少なからずいらっしゃるかと思いますが、これらの達成に向けて出来ることを多くの方々のお力添えをいただきながら、着実に進めてまいります。株主様へご迷惑をおかけしないよう種々の施策を実行していくことをお約束します。
今回の決算発表を機に、当社では動画による決算説明に加え、ゲストを招いたトークセッション動画の公開など、YouTubeチャンネルを通じた情報発信を強化しています。
正直に申し上げて、音声のラジオはともかく私は映像や動画などに出ることはとても苦手で、これまで極力避けてまいりました。しかし、周囲の方々からこの時代必要なことと諭され、私なりにですが覚悟を決め、何でも挑戦してみようと思っております。
これからはこの動画コンテンツに、様々なゲストの方、そして当社のとてもユニークで様々なこだわりを持った社員も登場する予定です。どうぞご覧頂き、少しでもご理解を深めて頂ければ幸いです。
いずれにしても、コンテンツ産業は間違いなく日本の基幹産業になると考えています。当社は培ってきた独自のコンテンツデータベースやメタデータ技術の幅をさらに広げていき、エンターテイメントならではの領域で磨かかれる感性AIをもって、IPコンテンツの未来にデータテクノロジーという立場から貢献してまいります。
このように私たちなりに大きな星を見つけ、そこに向かう「第三の創業」ともいえる今日ですが、30歳と少しでこの会社を創業した私もいつの間にか57歳になりました。おかげさまで30代、40代の若手のリーダー達が開発や営業の現場を牽引する状況になり、私はここから2年間、大きな覚悟を持って日々を過ごしてまいります。そして皆様と5年後の成果を数字という形で共有できるよう努めてまいります。ご期待頂いた皆様と、結果的に私やこの会社を支えてくれたコンテンツ、IP、クリエイターの方々に自己満足かもしれませんが、恩返しがしたいと考えています。もっとたくさんの、まだ見ぬ才能やコンテンツが、日本中、世界中の街で人々の気持ちを少しもしくは大きく動かし、つなげることができると信じております。
このような機会を頂き、ありがとうございます。


