社長からのメッセージ(株主通信2018年12月より)

株主の皆様、半年ぶりのお手紙となります。
わたし達に期待と関心を頂いていること、ありがとうございます。
この半年とこれからのことをお伝えできればと思っております。
わたし達に期待と関心を頂いていること、ありがとうございます。この半年とこれからのことをお伝えできればと思っております。わたしは、今期を“ラストチャンス”と位置づけています。その意味するところは、ここまで積上げてきたことが、来期以降に大きく成果が出てくるのか、そうでないのかが、今期の過ごし方で決まる、という意味です。そのような成長のための大変有り難い機会も、そうはあるものでもない、ということであります。
わたし達は恵まれています。自分達の信じる開発を行い、それを使ってくれる方々がいます。そして株主様含めその先の可能性を期待してくれる方々がいる。本当にありがたいことです。一方でまだ上場企業として株主の皆様の期待には全然応えきれていない、株式会社として大した税金をまだ納めているわけではない、社員の給料もまだまだ上には上がいる、そして何よりも当社のデータベースやテクノロジーを使って頂いている方々にもっとより良いモノが提供できるはず、すべき、でもまだ出来てない。本当に多くのまだまだ、があるのは事実です。この1年そんな自分にケリをつけたい、そう思ってきました。
その自問自答さえ、ある意味では自己満足みたいなものだとも思います。
30年以上前に17歳の夏に観たライブエイドの10万人の群れをみて、ひとりひとりが何かに気づいて、そして繋がることで社会がより良い方向にいく可能性の価値、その可能性を繋げる力が音楽にあること、そんな人が何かに気づくこと、それを繋げることを大人になったらやるんだと思ってきました。
自分ももういい大人です。結果を出し切れないかっこわるいところも、掲げた目標を外すこともある、ダサいところもある大人です。
そんな自分が人生をかけてやろうとしていることは、やはり変わらず、人の気づきを繋げることです。
人が何かに気づくために必要なことはやはり想像力です。目に見えない、形にもない、耳を澄ませても聞こえることのない、だけど本質的でかけがえがないものに人が気づくことが出来るのは人間が持っている想像力だと思います。
わたしも自分自身の想像力が足りないことで、失敗したことがあります。悔やんでいることもあります。そして今の社会にも、想像力がまだまだ足りていないところがあるような気がしてなりません。
そのために出来ることをやりたいと考えています。
わたしの信じるところとして、人の想像力が育まれたり、掻き立てられたりするために大切な役割を果たすのが、音楽や映画や本や漫画やラジオやテレビ、つまりエンターテイメントだと思います。
わたし達は、エンターテイメントそのものを創り出すことをしていません。
そのなかで、エンターテイメントから生まれる感動や気づきを信じる者として少しでも暮らしの中に音楽や映画や本や漫画などエンターテイメントが寄り添えるように繋げることができるか、そしてエンターテイメントをテクノロジーというフィルターを通し学んだ人間の感性や感情を、どのようにエンターテイメント以外の世界に繋ぎ、その結果として少しでも多くの気づきが生まれ、孤独が癒され、勇気が出たり、励まされたり、感動したり、自分と深く向き合ったり、人に優しくなれたり、そんな想像力と多様性のある社会へ力になれるか、これらがわたし達ソケッツのミッションです。
そのためにわたし達が何をしてきたか、やろうとしているか、をあらためてお伝えできればと思います。
ひとりひとりの人生経験や環境は多くの人それぞれの考え方や価値観、人それぞれの好みや嗜好性を生んでいると思います。
そうしたそれぞれの人が、どのようにしたらより気づきのきっかけでもある音楽や映画や本や漫画と出会えるのだろうか、そう考えて創業以来10数年取り組んでいるのが、エンターテイメントに特化したデータベースの開発です。
特化というからには、特別に深い専門性を伴わないとなりません。
日本でいちばん細かく専門的なエンターテイメント関連のデータベースの開発がまずわたし達がしてきたことです。
しかしながらデータベースは使われて初めて価値が出るもので、使われなければ単なるひとりよがりの開発でしかありません。そのために開発をしてきているのは、パーソナライズエンジンです。ひとりひとりの好み、感性、潜在意識を理解し、それらに最適なお薦め、はたらきかけ、などを行うエンジンです。このエンジンでは世界的にいえば、アマゾン、ネットフリックス、スポティファイなど世界の巨人はいます。ただしアプローチは異なります。わたし達は、データの量では敵わなくとも、エンターテイメントに関するデータの質や細かさでは絶対に負けません。少なくとも日本という国、そして日本語で制作されている作品を扱う中でこの世界ではより良いデータベースやエンジンとして、一番でないとなりません。このエンジンの性能を上げるためにソケッツが取り組んできたのが、A(I人工知能)の技術開発です。世の中、もはやAIは特別なものではありません。そして今後よりコモディティ化(一般化)する事と思います。ただしわたし達が開発をしてきているAIは一般的なAIではありません。感性AIです。これは人それぞれの多様な感情や感性を理解するAIです。もし日本人がたまに世界からいわれるように独自の繊細で奥行きのある多様な感性の持ち主であるのであれば、わたし達はそんな日本でしか作れない感性AIを作ります。
その感性AIは、世の中の特別な目的を持つ一般的なAIと連携し、社会に気づきと出会いを生みます。
この感性AIの開発にわたし達にアドバンテージがあるとすれば、それはエンターテイメントの膨大でかつ専門的、そしてすべて日本語の微妙な意味やニュアンスを解釈しうる感性メタデータというものを網羅し体系化した独自開発のデータベースです。そしてその独自の感性メタデータをどのような解釈し学習し処理していくかなど日々の研究開発の積み重ねです。
エンターテイメントの中には、たくさん人の感情や感性というものが、詰まっているかと思います。そんな人の感情や感性を科学していくことで、今までにない人を理解する、多様でかつ奥ゆきのある日本語でココロにはたらきかけるAIが出来てくるのだと思います。必ず社員一同力を合わせ開発することを約束します。
ビジネスとしては、今たいへん良い風が吹いてきています。それはエンターテイメントとテクノロジーの連携の流れです。かつて「マネーボール」という映画にもありましたが、ベースボールがデータを活用し科学化し、進化を遂げたようにエンターテイメントにもAIやデータを活用し、エンターテイメント体験の価値を上げる取り組みが世界的に広がってきています。日本も少しずつそして確実にエンターテイメントとテクノロジーの連携が進んでいくことになると思います。
その過程では、音楽が音楽だけ、映画が映画だけのなかで、繋がるのではなく、音楽をきっかけにその先の体験では旅行だった、美容だった、ファッションだった、ということやまたその逆で、入り口が旅行、美容、ファッションだったけど出口の体験が音楽だった、もしくは一杯のコーヒーから一本の映画に辿りつくこともある、それらを全て感性データとテクノロジーに基づいて繋げていくという進化したクロスプロモーション、ブランドパートナーシップの実現を目指しています。
日本におけるエンターテイメント×テクノロジーの世界では当社はフロントランナーの1社だと思います。ただし、まだまだ大した成果とまではいえません。
この1年は勝負どころと思います。
まずは具体的には専門AI、音楽分析ツールの開発を続けています。来年には必ず世の中で価値あるものにしたいと思います。
そしてもうひとつ信じていることがあります。エンターテイメント×テクノロジーをわたし達が取り組む中で、ソケッツのオリジナルが無いと意味がありません。さきほどお伝えしましたようにソケッツには人間の感情や感性をデータベース化してきています。エンターテイメントから学んだこうした人間の感性や感情は、何もエンターテイメントの世界だけで留まるものではないとわたしは思っています。つまり人の感情や感性を理解できるということは、音楽と映画や本や漫画を繋げるだけでなく、また音楽や映画などエンターテイメントとそれ以外の世界を繋げるだけでなく、日々のくらしの生活提案に繋げることができうる、ということなります。
ここにわたし達の機会と使命があります。
たとえば、都会の孤独に向き合い、葛藤をかかえ、でもまだあきらめずに希望をつかもうとしているひとりの男(女)がいるとします。
どのようにしたらこのような人達に寄り添うことができるか、そのために必要なのが感性メタデータ、感性AIとなります。そのための開発をしています。わたし達がエンターテイメント×テクノロジーを通じて学んでいることの大きなものとして「共感」という世界があります。ひとそれぞれ、シチュエーション、生活環境、人間関係、季節、曜日、時間、天気、気分、さまざまな状況の中で、人はひとりひとり共感ポイントを持っていると思います。それぞれの共感ポイントにどのように寄り添えるか、これがわたし達が技術開発を進めている目的となります。
株式会社である以上、開発を続ける以上、儲けないとなりません。上場企業である以上、企業価値は高めないとなりません。
そのためにわたし達が開発とともに取り組んでいるのは、ビジネスモデルの多様化です。
わたし達が開発しているプロダクト・サービスの多くが月額数百万円以上のライセンスサービスです。この付加価値をさらに上げていくことがまず第一です。そのうえで、そのようなハイエンドのプロダクト・サービスのみならずたとえば、月額30万円で月500件ライセンスしうるプロダクト・サービスを開発し提供するようにします。たとえば、この実現により現在の年間売上は倍となります。まずここをあまり時間をかけずに実現します。
来期にはこれらのプロダクト・サービスの提供を開始する計画です。
またビジネスモデルの多様化の中で、さらなるオープン化も進めていく予定となります。どんなに良いデータやテクノロジーでも、使われてなんぼ、ですので、社会でより使われるように、どん欲に徹底して押し進めます。また、わたし達の大きな課題のひとつでもあった営業体制面での課題も、今期に入り、具体的にかつ着実に進歩してきています。ここもよりペースを上げて形にしていきます。
あらためまして、株主の皆様、ご期待を頂き本当にありがとうございます。
何万行の言葉より結果で返すのが筋ということ理解しています。その機会をありがとうございます。

代表取締役社長 浦部浩司

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